2011年01月14日

鈴木健一「風流 江戸の蕎麦」

 昨日は、ごく親しい仲間4人だけの初句会であった。当座で題を決めるのだが、個室で鍋をつつきながらだったので、前回は「人参」、今回は「葱」が題となった。
 
 文学で「食」が、テーマになるのは、江戸時代からだ。それまでは、そんなはしたないことは、文学の器に載せるものではなかったからだ。

 そこで、江戸文学に関するエッセイには、「食」に関する名作が多々生まれる。このところ現れていなかったが、標題書が去年出て、またコレクションが増えた。

 戯作類から蕎麦のある風景を現代人に案内し、俳句と漢詩から蕎麦が雅俗の両文学にわたってテーマとなっていたことを紹介する。ついで、歌舞伎・落語・浮世絵の中の蕎麦にも説き及ぶ。

 コンパクトな新書にしては、大変な情報量だ。このあたりが鈴木さんの腕の見せ所である。この順序がいい。戯作と俳諧は、蕎麦にまつわる生活と詩情が集約されているからだ。

 私は関西人だから、蕎麦に関してはエトランゼである。神田で生まれ育ったある大先生の、蕎麦をすする御姿は、戯作や歌舞伎の世界そのもの。なぜ、こうも絵になるのか、本書を読むと納得できてしまう。

 江戸の町と文化の成長とともに、蕎麦が人々の生活に根を下ろした「気分」こそが伝わってくる。季節柄、かけ蕎麦が頂きたくなってきた。
posted by 雑食系 at 00:13| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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