2011年01月26日

森銑三「新橋の狸先生」

 副題に「私の近世畸人伝」とあるように、「近世畸人伝」へのオマージュから成った書である。現代でこれをできるのは、中野三敏氏を措いて他にいない。本書の解説も中野氏だ。

 近世、特に中期には、偏奇な人物が多い。しかも誰も伝記資料を集めようとしない。ところが集め出すと結構集まるのである。そういうことが可能なのは近世だけだろう。近代には「畸人」はいない。

 私も、珍しい軍記作者や和学者の伝をちょっと拾ったことがあるが、苦労して集める分、手に入れた時の楽しみは、何ともいえない。

 さて、中でも本書の場合、標題となった成田狸庵である。狸フェチといっていい。周囲もこれを愛しているのがいい。狸以外に目もくれず、金も名誉もいらない。そういう人物である。

 NHKの歴史番組では、この狸庵のことも聞かれた。番組の反応を2CHやツイッターでおっかけても、この人物の評判が一番よかった。

 もはや、私はこういう好事家的な研究は、やらないだろうが、この偏愛を理解し、愛する気持ちは失っていないつもりだ。

 本書の冒頭に掲げられた、狸庵の狸の絵は、真に迫っていて、しかも狸への愛に満ち溢れていますよ。幸せな人ですね。


posted by 雑食系 at 00:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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