2011年02月11日

田中貴子「<悪女>論」

 田中氏も国文学者としては、「外に打って出た」大活躍の人である。私の記憶に誤りがなければ、本書はその先駆けとなったものだったはず。

 今読むとそう新鮮に思えないのは、自分も春水人情本を使って「外に打って出た」論を書いてしまったからだろう。こういう本は「新しい」分だけ「古くなる」危険性が高い。

 「悪女」をジェンダー論で相対化する。外国文学研究ならとっくにやっているはずの方法だが、女性研究者がこのテーマはやってこそ道が開ける。やはり彼女の登場を待つほかなかったのだ。私もこういうテーマを論じるときは、女になりたい欲求があった。その方が得なのだ。

 最近は性の問題そのものにも切り込んでいる。是非近世にもこういう才能が出てきてほしい。それが出ていない学界というのは、外部から見ればかなり「遅れている」ようにも見えるからだ。

 やっぱり西鶴研究の大物女性研究者が出てこなければ、画期的とはいえないだろう。本書は、昨日の堤氏稿と併読すると、江戸婦霊史の前提が成り立つ。
posted by 雑食系 at 10:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。