2011年02月24日

高橋圭一「大坂城の男たち」

 高橋さんは、日野龍夫門下の俊英、かつ人格快活、頭脳明晰で、話していて実に気持ちいい方である。軍書について書くようになってから、手紙のやりとりがはじまり、国文研のプロジェクトで酒席を御一緒させて頂き、盛り上がった。

 一昨年、江戸文学をお送りした時、丁寧なご返事とともに、本書の書き出しをお送り頂いていた。心待ちにした本だけに、まだご本人に返事も書かないうちから、むさぼり読んで、ここに書くことになった。

 それだけ、読んで楽しく、かつ勉強になり、これからの自分の研究にも啓発されるところ、大であった。何より見通しのきいた本である。大坂の陣で豊臣方の武将として活躍した武将、真田幸村・後藤又兵衛・木村重成・塙団右衛門ら、人物について一章ずつを割き、銘々伝の形で、実録の変化・成長と、時代小説や講談との関係を語る。

 あとがきにある通り、江戸文学研究者以外にも射程距離を定めたその力技と、講談師との交流からも得られたこの世界の魅力を語る語り口への配慮が、何といっても本書の魅力だ。中国の英雄象の影響もきちんと指摘されている。

 今我々が望みうる軍談世界の一流の案内書と断言して差し支えない。
posted by 雑食系 at 00:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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