2011年03月02日

河野哲也「レポート・小論文の書き方入門」

 初版が出た時、著者とは同僚だった。テクスト批評という、フランス仕込みの文学批評の方法から出発しながら、議論と様式に絞った論文作法になっていることに新しさがあったが、レトリックの話がないことを突っ込んだら、逆に厳しい批判を浴びた。

 日本の旧来の文章作成法は、レトリックに終始していて、肝心の論文とは何かという国際常識に欠けている、と。確かに、本書のあとがきには、問いと答えのない論文がいかに日本には多く、それは単なる文章の問題ではなく、社会や人間関係の欠落だ、としている。

 あれから15年。本書はこの手の分野のベストセラーとなり、著者も大活躍している。やはり彼の意見は正しかった。逆にその頃の私は、まだ古い国文学の方法でしかモノを見ていなかったことをしみじみ思う。

 私は問いと答えのない論文は書かなくなったつもりだが、今も学生の論文・レポートには、言いっぱなしや自他の意見の区別のできていないものが山ほどある。この問題は、中等教育の問題でもあるのだ。
posted by 雑食系 at 00:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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