2011年03月09日

佐伯順子「「愛」と「性」の文化史」

 こういう本は女性が書いたもの勝ちである。男がやると、まずは色物扱いされるからだ。表紙も大胆にできる。男の著者名で、性的な匂いのするカバーなど配しようものなら、噴飯ものだ。ああ、女になりたい。

 江戸から現代までの、日本文学に描かれた「愛」と「性」の諸相を達者に腑分けする。ただし、欠点もある。江戸の人情本の教訓的な内容を筆者は真に受けているが、これはおかしい。官憲に風俗を乱したかどで摘発されるのをさけるための、言い訳にすぎない。

 それに、真面目に耐えて苦労する主人公に、読者が声援を送り、ハッピイ・エンドをむかえるパターンは今でも通俗ドラマのカタルシスだ。真面目に生きろ、と言っているのではない。報いられる人生を描いて、読者に甘い快感を与える「手法」なのだ。

 この人は、東大の比較文化出身だが、語学だけできても、文学の読み方ができないらしい。小説を文化史で料理するとかえって素材の美味しさを台無しにしてしまうことが多い。この人はめくるめく「愛」や「性」を本当に味わったことがあるのだろうか?
posted by 雑食系 at 00:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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