2011年04月16日

佐谷眞木人「日清戦争」

 この人が、こんな本を書くのか、と驚かされることがある。筆者とは数度研究会でご一緒したことがあるが、平家物語や浄瑠璃を研究されていた。それがいきなりこのテーマで新書を出された。

 きっかけは、慶応での研究プロジェクト「民族イメージの言語性と身体性」に参加されたことだという。そこで日清戦争におけるメディアのインパクトが、文学をめぐる社会的編成を大きく変えてしまったことを実感されたという。

 私も江戸から子規を見る作業をすすめつつあった時期なので、同感した。日本においては、日露戦争の方が日清戦争より脚光をあびる。名誉白人の位置をアジアで唯一獲得した日本の「栄光」をもたらしたものだからだ。

 しかし、東アジア世界では、日清戦争の方がより注目される。アジアの近代に決定的な影響を与えたからである。今台頭し自信をつけてきた中国の存在が、我々に日清戦争の意味をもう一度考えさせることになってきた。E・H・カーが言ったように、やはり「全ての歴史は現代史なのだ」。
posted by 雑食系 at 08:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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