2011年05月30日

山本幸司「<悪口>という文化」

 <悪口>など言わない方がいいに決まっている。言葉の暴力は、他者のみならず、自己をも傷つけるからである。しかし、<悪口>はいっこうになくならない。ハラスメントや暴力事件、風評被害にまで及ぶ悪しき面を持っていながら、なぜなくならないのか?

 こういうユニークな問いを出発点にする本書の著者は、中法制史が専門だが、ジャンルを超えて興味ぶかい事例を紹介してくれている。古今東西、<悪口>から始まった戦争・喧嘩を紹介するかと思えば、日本の<悪口>祭りの事例から、スキャンダルのばらまきによるフラストレーションの解消といった機能にも着目する。

 要は<悪口>の必要悪をある程度認め、これを社会秩序の維持のための「智恵」として管理する法制や習俗が本書のテーマだった。

 <悪口>に限らず、<暴力>はなくならない。残念ながら、人間には<攻撃>本能がある。ならば、それをいかに飼い慣らすか、これは<悪口>に限らず、戦争や暴力に対する大人の見方を我々に教えてくれる。

 昨日私は幾つ<悪口>を言っただろうか?
posted by 雑食系 at 08:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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