2011年03月20日

小笠原敬承斎「誰も教えてくれない男の礼儀作法」

 筆者はことごとしい号を持っているが現代の人、しかも女性である。日本の代表的礼法、小笠原流初の女性宗家となり、700年の歴史を今に受け継ぐ。
 
 鎌倉時代以来続いた武家の名門といえば、島津氏がすぐ思い浮かぶが、筋目から言えば、小笠原は格式が高い。それに室町時代、伊勢・今川と並んで武家の礼法の家となったことが、この家の位置を特別なものにした。

 本書は、江戸時代、貞慶の代に固まった秘伝七書の要諦を、現代にアレンジして紹介した入門書である。礼とは、思いやりの心を形にしたものである。女性にはそういうしぐさの縛りがまだ残っているが、男の世界からは消えてしまった。

 そこで、男の心構えから始まって、姿勢・マナー・言葉づかい・身だしなみの心得へと説き及ぶ。基本は、自分をめだたせず、忍耐の心をもって心遣いをすることにある。これは「葉隠」の世界に通じる。

 藩主光茂の尻拭い役たる側の者だった、山本常朝もまた、忍耐の心・目立たせない心得・具体的な身のこなしや心遣いを説いた。本書にも最後に「葉隠」に説き及ぶ。「葉隠」という書名そのものが、小笠原礼法の説く心の在り方に通じる。己をひけらかさない慎みをもって奉公する、それがやがて、常朝の説く衆道的忠誠=「忍ぶ恋」とつながってゆくのだ。
 
posted by 雑食系 at 00:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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