2011年03月27日

石ノ森章太郎「章説・トキワ荘の春」

 今回の地震の被災地に友達はいない。盛岡に10年前、文献調査に入り、打ち上げに三陸をドライブした時の印象が強い。報道を見ているうち、石巻近郊出身の石ノ森章太郎を思い出した。記念館の1Fはやはり浸水したそうだ。

 彼を思い出したのは、原発による汚染の報道からである。彼のライフワーク「サイボーグ009」に、核戦争の恐怖とそれを生んだ人間の欲望が描かれていたのが、思い出される。連載開始は1964年だ。私が最初に読んだ単行本漫画だった。

 さて、本書は石ノ森から見た、漫画創世紀の梁山泊「トキワ荘」での漫画家たちの生態だ。赤塚不二夫・藤子不二雄ら、興味つきせぬエピソードの数々。中でも、彼の漫画の最大の理解者であった、美人の姉が喘息の発作で亡くなる場面は印象的だ。

 だから、彼の描く女性は、美人で優しく、薄幸そうで、性的な匂いがしないのだ。ただ、家族・地域・世界の平和を祈る、どこまでも愛情深い存在だ。この点、一番の友人だった赤塚不二夫の描く女性も、愛らしく優しく、愛情いっぱいの存在だ。

 漫画であれ文学であれ、男にとって、女を描くというのは、自分にとって決定的な女性はだれか告白するようなものなのだ。石ノ森が生きていたら、今回の地震、どう作品化しただろうか。
posted by 雑食系 at 00:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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